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経済学と哲学をまぜたような学際的で面白い本の紹介 とその他おすすめの書籍

 

この記事では経済学と哲学の治験を取り入れた学際的な面白さのある本とその他おすすめの書籍を紹介します。

経済学、数学、哲学、政治思想というワードにピンときた方におすすめです。

 

貧困の放置は罪なのか グローバルな正義とコスモポリタニズム

伊藤恭彦 出版 2010年

 

結論から言えば著者は貧困の放置は罪であるとしている。

著者の論を著名な哲学者の理論をもとに補強し、本格的な議論を読者にわかりやすいかたちで展開している。

格差に関心を持つ者は一読をお勧めする。また、逆に格差は個々人の努力の結果であるのだから、結果の不平等は許されてしかるべきだと考えるものも、その不平等の正当化が本当に正しいのか問うために読んでもらいたい。

キーワード

所有の正当性、財の移転の道徳的義務、コスモポリタニズム、ODA問題

 

 

 

貧困の放置は罪なのか――グローバルな正義とコスモポリタニズム

貧困の放置は罪なのか――グローバルな正義とコスモポリタニズム

 

 

不平等論 格差は悪なのか

ハリー・G・フランクファート

上で紹介した「貧困の放置は罪なのか」が貧困の放置は罪だとし、格差の解消の必要性を説いたのに対し、この本では逆に「そもそも格差は本当に悪いことなのか」という視点から不平等について議論している。格差・不平等論というテーマだが短い章にまとめられていて、国際政治や経済学の知識がない人にも読みやすい。

 

 

不平等論: 格差は悪なのか? (単行本)

不平等論: 格差は悪なのか? (単行本)

 

 

ハリー・G・フランクファート氏の著書にはほかにも面白いものがあるので紹介する。

 

 

ウンコな議論

ウンコな議論

 

 

著者である道徳哲学者ハリー・G・フランクファートを知らなくても、彼の著書の一つ「ウンコな議論」については耳にしたことがある人が多いのではないだろうか。そちらもぜひ一読をおすすめする。

近年、経済学の分野では行動経済学を中心として、前提となっていた合理的な人間像を見直す潮流がある。近年になって注目され始めて入いる動きだが、これはなにも新しいことではない。かの有名なアダム・スミスも道徳哲学者としての側面を持ち人間の合理的ではない側面、同情や良心などにも関心を向けていたのだ。

 

隷属なき道 AIとの競争に打ち勝つベーシックインカムと一日三時間労働

ドガー・ブレグマン著 野中香方子訳 出版 2017年

 

AIとベーシックインカムという昨今話題になっているテーマを題名に含んでいるが、それだけがメインではなく、幸福の概念や貧困問題、移民問題、格差、行政政策、統計の嘘など、広い範囲をカバーしている。

伊藤恭彦氏の「貧困の放置は罪なのか グローバルな正義とコスモポリタニズム」で展開された議論に通ずる内容が多く見受けられることに驚かされた。2010年から2017年の7年間という短くない時を経てなお共通の問題が山積みなのである。

ブログの記事をもとにした内容ということもあり、やや感情に訴えかけるきらいもあるが、根底となる考え方は非常に重要である。

 

キーワード

AI、ベーシックインカム、政治、行政政策、戦争、貧困、幸福、長時間労働、価値の生産

 

隷属なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働

隷属なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働

 

 

予想通りに不合理

ダン・アリエリー著 熊谷淳子訳

 

実に「阿呆」らしい(と思うこと)を、遊び心のある実証実験によって確かめることによって従来の合理的な人間像を覆し、権威の盾の後ろで需要と供給の関係性をもとに机上の空論を展開するようにも見える経済学に感じていた違和感を払ってくれる。人間の人間らしい面が滑稽さを孕みつつ如実に表れている。全力で「バカ」なことをやれるのは素晴らしい。経済学の知識がないものでも気軽に読める一冊。

 

 

 

みんなの意見は案外正しい

集合知というのは面白いもので、ひとりひとりの予想が正しくなくても、大勢の予想をまとめると案外正しい答えに近くなったりするのである。

 

 

「みんなの意見」は案外正しい (角川文庫)

「みんなの意見」は案外正しい (角川文庫)

 

 

サピエンス全史

 

自殺について

ショーペンハウエル

ショーペンハウアーは厭世哲学者といわれ、彼の哲学には救いがないといわれるがそうではないと思う。動機の正しさや永久平和を説くカント的な道徳哲学は理想的で美しい生き方、人間の在り方を指し示すが、それはあまりに潔癖すぎる。純度の高すぎる水には魚は住めないのと同じように人が正しく生きるために行為の動機の正しさまで執拗に求めることはかえって生きづらさを増やす。ショーペンハウアーの哲学は「世界や人間はそんなに素晴らしいものではない」という一見後ろ向きなものだが、正しさに対する強迫観念にかられて生きなくて良いと思わせてくれる。

 

功利主義入門 はじめての倫理学

児玉聡 著

 

入門組織行動論

開本浩矢 著

 

誰のためのデザイン? 認知科学者のデザイン原論

D.A. ノーマン 著

 

小説・随筆

茶店にて

萩原朔太郎

 

萩原朔太郎の随筆。青空文庫で適当に選んだのだが、興味をそそられる内容だった。

一ページ程度の短い文章だが、現代の我々の生活を顧みさせる内容である。

次の分は作中からの引用である。

文化の伝統が古くなるほど、人の心に余裕が生れ、生活がのんびりとして暮らしよくなる。それが即ち「太平の世」といふものである。今の日本は、太平の世を去る事あまりに遠い。 

 

 悲しい哉、楽しむべき閑散は未だ見つからず、文化の余裕を忘れて久しい。

 

人間失格

太宰治

 

それに対する美醜や好悪の価値観は個々人によるものだが、虚飾と欺瞞の仮面に覆われた人間の姿は今も昔も変わらないままであることを実感させられる。物心がついた時から多かれ少なかれ我々は芝居の一役者としてのふるまいを課せられている。果たして今口をついた言葉は、「私」の言葉だろうか、それとも私に与えられた「台詞」だろうか。結局の所、自分でさえ自己にとっては他者であるがゆえにわからないままである。こんなことを考えさせられる作品だった。

 

博士の愛した数式

 

アルケミスト 夢を旅した少年

 

カラフル

 

夜は短し歩けよ乙女

森見登美彦