ムカデノワラジ

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「タクシードライバー」は男の気持ち悪い部分が濃縮されていてぞわぞわする

映画「タクシードライバー」をみた。世間的な評判もいいし映画好きが推しているのもあってみてみたけど、主人公が気持ち悪くてぞわぞわする。アマゾンのレビューに「この映画を好きって言ってるやつは評論家気取りの奴だけ」ってのがあったけどあながち間違ってないと思う。

 

当時のアメリカを描く映像表現としてはまあ悪くないし、主人公役のロバート・デ・ニーロの演技力も高いが脚本のグダグダさがひどい。意味深な表現をして観客に想像させるというか、観客に伝えることを放棄しているような自己満足作品。音楽も同じようなダサいのが何回も流れる。暴力の恍惚なら「時計仕掛けのオレンジ」には劣るし、帰還兵の闇なら「アメリカンスナイパー」に劣る。退廃的な世界観でいったら「ブレイドランナー」のほうが心惹かれる。

 

ベトナム帰還兵の問題にスポットを当てたとか現代社会の孤独とか恰好つけていってるけど、はたから見たら社会不適合者のおっさんが選挙広報の仕事をしているお姉さんに一目ぼれして、いい年して運命だなんだといって、10:0で自分が悪いのに振られたのに逆切れして大統領暗殺を企てたけど失敗して、なんだかんだで少女を闇社会を救ったヒーローになりました万々歳、みたいな感じ。選挙広報のお姉さんも中盤からばったり姿を消したのに最後に主人公がヒーローになったら急に出てくる無理やりさ。というか4人殺しといて無罪放免、ハッピーエンド、タクシードライバー継続ってご都合主義すぎませんかね。

 

冴えない主人公が何者にもなれないのに我慢できなくて一発逆転をしたがるところとか、銃を手にしたら一気に強気になっちゃうところとか、ポルノ映画館の常連なのに売春してる12歳の女の子には「こんなことしてちゃいけない」とかお説教したりするところとか、「あー、こういう人いるわー」ってドン引き。男性の気持ち悪い幼児性。「自分は特別だけど周りの皆はわかってくれない。というか周りの奴らじゃ自分を理解できるわけない。」みたいな。「自分は間違ってる、でも世間はもっと間違ってる」って真顔で言っちゃう感じ。女の人でこの作品を面白いと思う人いるんだろうか。

 

脚本はクソだが「どことなく不気味」な人間の雰囲気を表現している点は評価したい。バットマンのジョーカーやデッドプールのようなわかりやすい狂気ではなく、一見普通の人の内に潜む狂気を描いているのは面白い。そして内に秘めた狂気を発現させるのは主人公のように「失うものが何もない人」だろう。観客として見ていて面白いかは置いておいて人間の真に迫るような演技は、そういうものとしてみるなら、見ごたえがある。まあ、あとはアイリスが可愛いことが救いか。レオンしかりとりあえず美少女出しとけば脚本グダグダでも気取った評論家のおっさんがあれこれ評価してくれるでしょう。